237日目 クリスマスに来たのは必殺仕事人

7ケ月と24日目。
今日はクリスマスという日なんだよ。
何で知ったかって?
一週間前のこと。
母ちゃんの弟からでっかい袋が届いたのが始まりだ。


赤い洋服。
赤い帽子。
白い髭がトレードマーク。
サンタクロースが模様された袋。
中身は知育おもちゃって書いてあった。
(10ケ月からって書いてあったけど、めちゃんこ遊ぶな。)

中身の写真、これしかなかった。おしりは気にしないで。

それからというもの、プレゼント祭り。
じぃじ&ばぁばからハイチェアが届いたり、
松本さんから絵本をもらったり。
いろいろ届くなーって。
「クリスマスプレゼントありがとー♪」
母ちゃんがその度に言っていたもんだから察しの良いオレは12/24がクリスマスイブだって気付いた。

新しい物好きのりつきはどれも嬉しそうに使うよな。
膝立ちして、ぴょこぴょこと跳ねて。
両手を握ってぱちぱちして。
目をキラキラさせている。
大人たちはというと、目がハートなんだよ。

素直に喜ぶってのは大事だなーって。
オレはそこで学んだ。

そして今日がクリスマス本番!
サンタクロースとやらは本当に来るのだろうか。
りつきはサンタクロースのコスプレをさせられている。
サンタは夜寝静まったころに来るらしいから、母ちゃん起きてろよ。

一緒にふわふわ眠くなってきたころ。
「苦しいからやめて」
母ちゃんの方に目をやると。
サンタのコスプレしたりつきが、ズボンの紐を引っ張り、母ちゃんのウエストを絞っていた。
やめろ!母ちゃんのウエストを絞めて殺す気か!?
母ちゃんはオレのおかげで一命をとりとめたんだよね。

翌朝。
りつきの寝床にはプレゼントが置いてあった。
オーボール。
サンタからの初めてのプレゼントをもらった日、母ちゃんは必殺仕事人りつきんぐに殺されかけた日だった。

母ちゃん、良い子にしてなかったからじゃない?
気を付けてよね。

おわり。



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